3月に読んだ本のまとめ

3月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:4207ページ

フルセット型産業構造を超えて―東アジア新時代のなかの日本産業 (中公新書)フルセット型産業構造を超えて―東アジア新時代のなかの日本産業 (中公新書)
15年ほど前に書かれた本。本書はフルセット型産業構造から東南アジアへの産業ネットワークを活用した産業構造へパラダイムシフトすることを述べた本だ。人件費を浮かすためだけの中国工場進出から技術基盤が徐々に進出したり、育成されていくという話。その一方で素形材などの技術基盤について海外と提携していくことが大切だとする。日本の優秀な中小企業は大田区や下町地域に密集していたが、バブルの不動産利用やバブル後の資金繰りの悪さ、為替による劣勢によってだいぶ弱体化してしまったためだ。たしかにそういった流れはあるのかもしれない
読了日:03月27日 著者:関 満博
日本企業/中国進出の新時代―大連の10年の経験と将来日本企業/中国進出の新時代―大連の10年の経験と将来
今から10年ほど前に書かれた一冊。中国が78年に外資開放を行ってすぐに進出した日本企業の変遷がうかがえる。特に旧満州国の経済の中心地だった大連は訪れて驚いたが、日本語人材がめちゃいた。本書は製造業メインで書かれている部分があるのだが、10年の間のインターネットの急速な普及によって、大連は日本のアウトソーシング先としてさらに密接にかかわっていくだろう。また、遼東半島の先端で海岸先は巨大な造船所が乱立していてこれも驚いた。いろんな驚いたし、視察の復習には良い1冊だった。
読了日:03月27日 著者:関 満博
台湾IT産業の中国長江デルタ集積台湾IT産業の中国長江デルタ集積
世界のラップトップの8割を作っている台湾IT企業の中国進出における長江デルタ周辺への集積を実地で工場や開発区の視察へ赴いて書かれたレポート。産業基盤としての基礎基盤が中国にもだいぶ形成されているのだと実感。日本も戦後にアメリカから製品の委託生産やテクニカルサポートの代理店を通じて徐々に1から物を生産する力をつけていった。戦後と今では、物を生産するための設備がぜんぜん違う。その違いが今後の製造業でのアジアの国家間での地位の違いになっていくだろう。現時点では中国には世界に先駆けるプロトタイプの創出は難しいだろ
読了日:03月27日 著者:経営労働協会
信仰の現場―すっとこどっこいにヨロシク (角川文庫)信仰の現場―すっとこどっこいにヨロシク (角川文庫)
矢沢永吉のライブ、笑っていいとものスタジオ、宝くじの抽選会場などいわゆるコアなファンが集う集会場に同席してくるルポ。そこに別天地が広がっている。意味は特にないけど痛く興味をそそられる体験ルポとかだ。昔、昔はるか昔、電気パルスで腹筋を鍛えるアブロッカーを高校生にして買った私だ。本書の気持ちはとてもわかる。なんていうか気になるものを確かめたいっていう気持ちを押し出した本書はおもわず笑ってしまった。
読了日:03月25日 著者:ナンシー関
間違う力 オンリーワンの10か条 (Base Camp)間違う力 オンリーワンの10か条 (Base Camp)
ジュンク堂新宿店で本書を普通に買ったらサイン本だった。これはなんの間違いであろうか。さて、本書は世に言う「生き方本」というジャンルに当たるらしい。一般的な生き方本とは誰しもが感じる将来的な不安に対しての心得とか自信を抱かせるようにできている。それでは本書はというと、『世界にひとつだけの花』的なオンリーワンではなく傍流を一貫して進むことによるオンリーワンについて述べられている(と思う)。結局のところ、本書のネタの面白さを考えると、個性=ネタです。っと思いました。
読了日:03月25日 著者:高野秀行
西南シルクロードは密林に消える西南シルクロードは密林に消える
ひさしぶりの読みなおし。西南シルクロードの行軍記。中国国境からミャンマーに入り、インドに抜けていく。そのどれもが非合法。ゲリラの手助けでジャングルの中を切り抜けていく。もはやシルクロードと呼べる道など存在せず、力技で密林を抜けている。ちょっと見方を変えると本物のゲリラ行軍記ルポにもなってしまう。現政権に不満のある村々に無償協力を要請するが、ゲリラに肩を貸したことによる報復を恐れ、老人や少量の食糧しか提供しない。ゲリラといっても土地を熟知していないし、案外お粗末なものだったりする。
読了日:03月23日 著者:高野 秀行
フィッシュストーリー (新潮文庫)フィッシュストーリー (新潮文庫)
中編4作品の『動物園のエンジン』でパラグラフとともに語り手が変わるところでみごとに勘違いしてしまったw。けど、このしてやられた感が嫌じゃない。今までの作品にも登場したキャラクターが気になってしまって、また前の作品を読み返してしまうw。これも嫌じゃない。そして、また違った印象をうけたり、物語の人間のつながりが増えることでの世界観の変化を感じる。これも嫌じゃない。すでに書かれた作品が進歩していくようで、広がっていくようでおもしろい。そんな期待感を伊坂幸太郎さんの新作に抱いてしまいます。
読了日:03月19日 著者:伊坂 幸太郎
カツラーの秘密 (新潮文庫)カツラーの秘密 (新潮文庫)
12年間疑惑を守った後の髪ングアウトの本作。若禿げで28歳に一代決心の末、某有名AN社のカツラを購入。3個で100万なり。カツラを初めて着用して出勤するときの心理や強風への恐怖、温泉でくつろげなかったりといった心理描写は丁寧に描かれている。その他カツラの見分け方やカツラ業界の不透明さなど書かれており、普通のエッセイとしてもすごく面白いし、へぇーって思うことも多かった。でも、思う。俺、はげたくねー。
読了日:03月18日 著者:小林 信也
ブランドのデザイン (文春文庫)ブランドのデザイン (文春文庫)
商品やサービスを通じて生じる抽象的なイメージと企業文化とか哲学も入ったりした曖昧模糊なイメージの総体がブランド。ルイ・ヴィトン無印良品、キューピーマヨネーズって聞いたときに『○○らしい』って感じるものがブランドなんだと改めて思ってみた。ぶれないと同時に時代の変化に合わせるとか名店、名門のブランドづくりの必須要件みたいのはとてもしっかり説明されていた。具体的な例示もされていてふーんって感じでした。ブランドの発信したい側のメッセージ性が気になるようになる本である。ちょっとまじめ本だな。
読了日:03月17日 著者:川島 蓉子
わたしの旅に何をする。 (幻冬舎文庫)わたしの旅に何をする。 (幻冬舎文庫)
中国の大連での再読。大連で知り合った秦文志さん。読みがシンブンシで思わず笑う。女性がついてくれるというカラオケに連れて行ってあげるといわれてついていったら、となりのご婦人は45歳であった。そして中国ポップで踊り狂っていた。そして言葉が通じないのであった。翌日、氷のためだろう、苦悶の表情で帰国したのであった。恐るべきはシンブンシなのだった。また、大連にきたら連絡してねーじゃないよほんと。。。
読了日:03月12日 著者:宮田 珠己
大連ダンスホールの夜 (中公文庫)大連ダンスホールの夜 (中公文庫)
満州国関東軍の役所があった大連。旅行前に歴史を軽く知っとこうと思ってよんだけれどアヘン関与とかの腐敗がすごかった。まったくもって無知ぶりをしった。『坂の上の雲』で旅順の近代戦経験ののちの統治下、黒々してたんだなぁ。こんな過去があったにも関わらず、大連には親日家がやはり多い。その一方で瀋陽のほうがより反日感情が強いというのが現地の方の意見でした。目覚ましい経済発展の中で埋もれていく歴史というのと、前向きのパワフルさを感じた旅でしたが、事前にこうやって本で知ることも大切なのだと思った読書でした。
読了日:03月09日 著者:松原 一枝
活字博物誌 (岩波新書 新赤版 (586))活字博物誌 (岩波新書 新赤版 (586))
椎名さんの読書が楽しくて楽しくてしょうがない気持ちが伝わってきて読みたい本が増えてしまった。読書に関する口コミ本といえるのかも。読書メーターもそうですが、利害関係なく『この本すごいおもしろい!』っていう本には心動かされます。面白い本については書評されるとつまんなく感じることもあるかも。コントや漫才の面白さを解説で伝えるのが無理なのに近いと思う。それよりも感情的にあらわされた口コミのほうが伝わるものがあるなぁっておもった。
読了日:03月09日 著者:椎名 誠
強い工場―モノづくり日本の「現場力」 (日経ビジネス人文庫)強い工場―モノづくり日本の「現場力」 (日経ビジネス人文庫)
読了日:03月06日 著者:後藤 康浩
パズル・パレス 下 (角川文庫)パズル・パレス 下 (角川文庫)
読了日:03月04日 著者:ダン・ブラウン
パズル・パレス 上 (角川文庫)パズル・パレス 上 (角川文庫)
読了日:03月04日 著者:ダン・ブラウン

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